TED Talks で最も再生回数の多いプレゼンを分析してみた
TEDのおすすめ記事ってたくさんあるけど、英語を勉強する上では何が良いのかよく分からなくないですか??この記事を見ることで、TED Talksのプレゼンを定量的に分析した方法とその結果を知ることができます。分析結果を参考にすることで、あなたの英語レベルに応じたプレゼンを選ぶことができるようになります。
この記事は英語学習のためにTED Talksを観ている方へ向けて書いています。
- なぜTED Talksのプレゼンを分析したの?
- TED Talksのプレゼンの何を分析をしたの?
- TED Talksのプレゼンを定量的に知ることができる!
- 英語学習者向けに嬉しさのある指標がわかる!
- あなたの語彙力にぴったり合うTED Talksのプレゼンが見つかる!
- TED Talks で最も再生回数の多いプレゼンを分析してみた
- なぜTED Talks のプレゼンを分析したの?
- TED Talks のプレゼンの何を分析したの?
- TED Talks で最も再生回数の多いプレゼンとは
- プレゼンのスピーカーは「ケン・ロビンソン:Ken Robinson」
- プレゼンの内容。タイトルは「学校教育は創造性を殺してしまっている:Do schools kill creativity?」
- 最も再生回数の多いTED Talksプレゼンの分析結果
- TED Talksのプレゼンを分析した結果のまとめ
なぜTED Talks のプレゼンを分析したの?
TEDのおすすめ記事ってたくさんあるけど、英語を勉強する上では何が良いのかよく分からなくないですか?自分もTEDTalksのプレゼンのおすすめ記事を色々と書いてますが、プレゼン内容の要約と自分の好きなプレゼンをおすすめするだけで、TED Talksのプレゼンで英語学習したい人が見ても、英語学習にはあまり嬉しさがないんですよね。
もちろん、プレゼン内容の面白さや興味深さは英語を学習する上でも、そのプレゼンを集中的に見ることができるため、非常に重要です。けど、それ以外の情報があまり付与されてないんですよね。なので、もっと英語学習者向けに嬉しさのある指標が出るように、分析することにしてみました!
6分で感動できるTED Talksプレゼン!
過去にこんな記事を書いています。これは本当にオススメのTED Talksプレゼンです。6分という短い時間で感動できます!(分析後のものはまだ更新していない。)
TED Talks のプレゼンの何を分析したの?
TED Talksのプレゼンで分析した内容を以下に紹介します。
全単語数
まずは基本的な要素で、こちらはTED Talksのプレゼンで使用される全ての単語の数になります。この要素は英語のスクリプトから分析しています。会話の中で何回も使われる単語はその都度カウントしております。また、途中で会話でない会場からの(笑)や(拍手)を表示している(Laughter)や(Applause)などの単語もカウントしております。
単語数がわかってどうなるの?って話ですが、他の要素などを分析する際に使用します。
話す速度(wpm) :プレゼンでスピーカーが話す速度
TED Talksのプレゼンって人によってめちゃめちゃ早く喋る人もいれば、ゆっくり喋る人もいますが、再生しないとわからないのが痛いところ。面白いプレゼンなのに、めちゃめちゃ早く喋るスピーカーのプレゼンは、英語学習には向きません(早いほうが良い時は良いですが。)。こちらの要素はプレゼンでスピーカーの話す速度がざっくりとわかる指標になっております。
このwpm(Word per minute)はリーディングなど、英文を読む速さの指標でよく使用されているものですが、ここでは、1分間に話す単語の数の指標として使用しています。これは全単語数をプレゼン時間で単純に割ったもので、例えば163であれば、1分間に163の単語を話していることになります。この数が多いほど話す速度は早くなります。
今の所、TEDのオープニングや話の途中の間などは考慮しておらず、プレゼン全体における平均的な速さになっております。今後、音声解析からもっと詳しく分析したいところです。
単語の種類
こちらも基本的な要素で、TED Talksのプレゼンで使用される単語の種類数になります。この要素もスクリプトから分析しています。全単語数では重複もカウントしていましたが、こちらでは重複をカウントせず、単純に使用されている単語の種類数になります。こちらも途中で会話でない会場からの(笑)や(拍手)を表示している(Laughter)や(Applause)などの単語もカウントしております。
単語の種類数がわかってどうなるの?って話ですが、他の要素などを分析する際に使用します。
よく出る単語
こちらの要素はTED Talksのプレゼンでよく出る単語がわかります。こちらもスクリプトから分析しており、重複している数をカウントしております。
単純に単語とそのカウント数を表示してもよかったのですが、あまり面白くなかったので、WordCloudを用いて、上位15の単語を視覚的に表しています。カウント数が多いほど大きいフォントになってます。
よく出る単語がわかることでプレゼンの内容をざっくり予想することなどができます。ここで知らないワードがあるようであれば、その単語の意味を覚えてからプレゼンを観ることや、想像しながら観ることで、プレゼン全体の理解を深めることができます。
また、takeなどの動詞の使い方を覚えたいのであれば、そのワードが多いプレゼンを見ることで、効果的に覚えることができます。今後、この辺はフレーズ検索をできるようにしたいと思ってます。
WordCloudはこれ
WordCloud for Python documentation — wordcloud 1.5.0.post10+gb79b3d6 documentation
これとか面白い
汎用単語率(単語の難易度)
TED Talksのプレゼンの単語の難易度ってどんなもんなの?って思いませんか?ということで、分析してみました。こちらの要素はTED Talksのプレゼンで、使用されている単語の難易度がわかります。
単語の難易度の指標には英単語辞書のOxford3000を用いています。このOxford3000は、世界的に有名で日本でもお馴染みの英語辞書「オックスフォード」が編集している単語で、最も重要で汎用的な3000単語となっています。今回は全単語数に対するOxford3000の単語数の割合を表示しています。なお現在はこのOxford3000に集約されている約2000単語の割合になります。(3000語ではない理由は、自分が使用しているソースがよくないかもしれません。現在他の単語帳(例えばJACETなど。)も含め検討中です。)
TED Talksのプレゼンで使用されている単語のうち、汎用的に使用される単語の割合がわかることで、自分のレベルにあったプレゼンを選ぶことができます。
Oxford3000はこれ
www.oxfordlearnersdictionaries.com
Oxford3000の内容についてはこの記事が参考になります。
TED Talks で最も再生回数の多いプレゼンとは
TED Talksを観たことがある人は、誰もが観たことがあるのではないでしょうか?再生回数は5300万回を超えています。
再生回数の多いTED Talksプレゼン7選
過去に再生回数の多いプレゼンをこちらの記事にまとめています。(分析後のものはまだ更新していない。)
プレゼンのスピーカーは「ケン・ロビンソン:Ken Robinson」
スピーカーはイギリス出身のケン・ロビンソンさん。この他にもTED Talksで3回プレゼンしており、いずれも人気です。
プレゼンの内容。タイトルは「学校教育は創造性を殺してしまっている:Do schools kill creativity?」
子供の可能性について語っており、お子さんがいる方や教育に興味のある方は必見です!いかに私たち大人が子供の可能性を殺しているのかを気づかせてくれます。大人の対応が少し違えば、キャッツやオペラ座の怪人を創り出した偉大なミュージカルは誕生しなかった話は、とても具体的で考えさせられます。
最も再生回数の多いTED Talksプレゼンの分析結果
再生回数:約5400万回
このTED Talksのプレゼン再生回数は約5400万回(53,998,908回)でした(2018年11月14日時点)。2位は約4900万回ですので、500万回近くの差がついています。
TED Talksで再生回数の多い上位100のプレゼンの平均値は約1300万回なのでその4倍以上。圧倒的な再生回数です。
プレゼン時間:19分24秒
このTED Talksのプレゼン時間は19分24秒でした。
TED Talksで再生回数の多い上位100のプレゼンの平均値は約15分ですので、この中では比較的長いプレゼントなっています。
なお再生回数の多い上位100のうち最も長いプレゼンはイーロン・マスク(Elon Musk)の「我々が築き、掘っている未来:The future we're building — and boring」で約41分でした。
全単語数:3163個
このTED Talksのプレゼンの全単語数は3163個でした。
TED Talksで再生回数の多い上位100のプレゼンの平均値は約2200個なのでこの中では比較的単語数の多いプレゼントなっています。全単語数はプレゼン時間と相関があります。(まあ、当然ですよね。)
単語の種類:918個
このTED Talksのプレゼンの全単語数は918個でした。全単語のうち約2000単語は重複して使用しています。
TED Talksで再生回数の多い上位100のプレゼンの平均値は約700個なので、こちらも比較的、単語の種類の多いプレゼンになっています。単語の種類もプレゼン時間と相関があります。(これもまあ、当然ですよね。)
話す速度:163 wpm
このTED Talksのプレゼンの話す速度は163 wpmでした。つまり、このTED Talksのプレゼンは平均的に1分間で163の単語を話していることになります。オープニングや途中の間の時間なども含んでの値なので、実際はこれよりも早い速度で話していることになります。
TED Talksで再生回数の多い上位100のプレゼンの平均値と中央値は約150 wpmでした。上位100のプレゼンの半数が170~120ですので、このプレゼンは標準的な速度のプレゼンです。
汎用単語率:0.62
このTED Talksのプレゼンの汎用単語率は0.62でした。これは、全単語数(3163個)の内、62%(約2000語)がOxford3000の単語ということになります。
TED Talksで再生回数の多い上位100のプレゼンの平均値と中央値は約0.61でした。上位100のプレゼンの半数が0.59~0.63ですので、標準的な単語難易度のプレゼンです。
よく出る単語
このTED Talksのプレゼンのよく出る単語は、下の絵のようになりました。上からLaughter、think、said、education、、、となり、笑の絶えないプレゼンになっていることがわかります。
なおWordCloudを使用するとto、and、theなどは除外されます。本来の上位40個の単語と回数は、以下のようになっています。
順位 |
単語 |
カウント数 |
順位 |
単語 |
カウント数 |
1 |
the |
146 |
21 |
all |
22 |
2 |
to |
80 |
22 |
education |
22 |
3 |
of |
74 |
23 |
said |
22 |
4 |
a |
74 |
24 |
about |
20 |
5 |
you |
65 |
25 |
at |
20 |
6 |
and |
62 |
26 |
be |
19 |
7 |
I |
52 |
27 |
she |
19 |
8 |
in |
51 |
28 |
are |
18 |
9 |
is |
43 |
29 |
for |
18 |
10 |
that |
42 |
30 |
her |
18 |
11 |
And |
41 |
31 |
If |
15 |
12 |
was |
40 |
32 |
— |
15 |
13 |
(Laughter) |
39 |
33 |
We |
15 |
14 |
we |
38 |
34 |
their |
14 |
15 |
it |
36 |
35 |
not |
13 |
16 |
on |
28 |
36 |
he |
13 |
17 |
this |
27 |
37 |
had |
12 |
18 |
think |
26 |
38 |
people |
12 |
19 |
have |
25 |
39 |
do |
12 |
20 |
they |
25 |
40 |
one |
12 |
TED Talksのプレゼンを分析した結果のまとめ
今回の分析結果を以下にまとめます。
- スピーカー :Ken Robinson
- タイトル :Do schools kill creativity?
- 再生回数 : 53,998,908
- 再生時間 : 19:24
- 全単語数 : 3163
- 単語の種類 : 918
- 話す速度 : 163 wpm
- 単語難易度 : 0.62
- よく出る単語
他のTED Talksプレゼンの分析結果と比較することで、観たいTED Talksプレゼンが他のTED Talksプレゼンと比べて、単語の種類が多いのか・少ないのか。話す速度が早いのか・遅いのか。単語の難易度が高いのか・低いのか。を知ることができました。これによって、自分の英語レベルにあったTED Talksプレゼンを簡単に発見し、集中して英語学習できるようになります。
今回、分析の対象としたKen RobinsonのDo schools kill creativity?は、話す速度や単語の難易度もTED Talksの再生回数上位100の中では標準的なプレゼンであることがわかりました。このプレゼンをみて、話す速度がもっと遅いほうが良い方は163 rpm以下のプレゼンを、単語がもっと優しい方が良い方は単語難易度が0.62以上のプレゼンを選ぶことで、より効果的に英語学習ができるでしょう。
他のプレゼンの分析結果は随時更新して行こうと思います。